研究会の目的


本研究会は、感染性医療廃棄物の安全で効率的な処理法を開発し、そのシステムを実践 することにより医療と環境の調和を図ることを目的とします。

特定の企業・特定の医療機関だけでは実現できない本研究会の目的を達成するために、 大学等、医療機関、企業が連携して取組むものです。



感染性廃棄物処理の現状と問題点


 1.  平成24年5月 環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部から
「廃棄物処理法に基づく 感染性廃棄物処理マニュアル」(PDF)が出されています。
 2. 同マニュアル4.6において「感染性廃棄物は、原則として、医療関係機関等の施設内の焼却設備で焼却、溶融設備で溶融、滅菌装置で滅菌又は肝炎ウイルスに有効な薬剤又は加熱による方法で消毒するものとする。」としています。
 3.  しかし、医療関係機関等の施設内で処理することは困難であるため、医療機関は委託業者を利用しております。
 4.  マニュアルにおいて、委託業者を利用する場合のルールとして①委託基準の設定、②中間処理業者、再委託業者、最終処分業者等が介在する場合でも全て業者間における委託受託契約の締結、③産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付・回収・保管、④不正確認の実施が必要とされています。
 5.  厳格なルールを定めることにより、安全性は確保できるものの、コストは利用者が負担することになります。
 6.  院外処理を実施する限り、感染性廃棄物を運搬する車両が住宅地等を通過しており、事故対応が避けられないものとなっています。


趣意書


目覚しく発展してきた医療科学技術のもとで、わたしたちの健康長寿とともに高度な 医療環境が約束されようとしています。科学技術の発展とともに安全で高機能性な医療 ディスポーザル用品(注射器、チューブ、容器、ダイアライザー、紙おむつなど)にも 支えられています。

一方、ディスポーザル用品が多く使われるため、医療機関等においては、その処理・ 廃棄が重要な課題となっています。廃棄物の処理は、第一に医療機関の責任においてなすべきことですが、安全性・経済性・利便性のバランスを重視して、医療廃棄物として 外部業者に処理委託する場合が主流となっています。このことは、医療機関が医療行為 に専念すべきという社会的役割を遂行するためにはやむを得ないことですが、廃棄物の 削減とリサイクルの観点からは、その努力が不足しており、オンサイトで処理をすべきという環境問題の基本的な原則からも乖離しています。同時に、委託処理費の増大は、 医療機関の経営自体を圧迫するものとなることが予想され、そのコストは最終的に医療費を負担する国と患者が負うものと危惧されています。

一方、医療材料・機器を製造するメーカーおよび流通にかかわる事業者も、拡大生産者責任という考え方から、それらの医療現場で利用される機器類の機能や安全性だけで なく、その後の廃棄プロセスにおいても、安全に処理されるべく、製品の設計を含めて医療材料・機器の製造において責任を持つ必要があるとされます。しかし、医療廃棄物 処理の現状においては、抜本的な解決策がないまま推移しています。

早稲田大学理工学研究所と国立国際医療研究センター病院は、医療系廃棄物の安全で 効率的な処理法を開発し、そのシステムを実践することにより医療と環境の調和をはか ることを目的としたプロジェクト研究を開始することにしました。

 私たちは、医療に関わる環境負荷を低減し、また、安全な医療環境を実現するため 本研究会を組織しました。具体的には、医療廃棄物を対象に医療機関内での廃棄物の安 全かつ効率的な削減、処理・リサイクルを目的とした医療現場の運用指針の提案、技術 開発、効果的な技術、商品、サービスの普及に努めていきます。

本研究会の目的を達成するには、医療機関、医療機器・材料や廃棄物に関わる企業 大学等が連携して実施することが望しく、是非、この趣旨をご理解いただき、本研究会 にご協力いただきますようお願い申し上げます。


一般社団法人 医療の環境負荷低減研究会 事務局

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